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6話

酒は壺にある時は醇であり、杯に注がれてもなお香りがある。

しかし、一度その酒の香りが人の口から漂い出すと、すでに臭くなっている。

どれほど酒を愛する人でも、このような臭気を嗅げば思わず吐き気を催す。

そして今、この酒場はそんな酒気に包まれ、酒客たちは酒気の毒にあてられ、禽獣と化していた。

客たちは皆立ち上がって舞台の前に押し寄せ、手に持った札を高く掲げ、琴楽の裸足に手を伸ばし、彼女の脚に触れ、彼女の体から漂う香りを嗅ごうとしていた。

琴楽は静かに立ったまま、一歩も後退しなかった。

一陣の風が過ぎ、蝋燭の炎が激しく揺れると、騒がしい群衆が一瞬静まり返った。その炎は暫く揺らいだ後、再び明るく燃え上...