男妃繚乱～華麗なる宮廷絵巻～

38話

「雲良閣は男色館ではないのか？」

淳璟は顎を撫でながら、こっそりと周囲を見渡し、唇を引き締めて考え込んだ。この雲良閣の内装は清楚で上品で、確かに情欲とは無縁のようだ。

九疊雲は物思いにふける淳璟を見て、彼の目の前で手を振り、笑いながら言った。「若様は何がお好みですか？」

淳璟は少し気まずそうに頭を掻き、照れくさそうに笑って答えた。「僕？僕は碁を打つくらいしか取り柄がないんだ」そして続けた。「ここに深紅の衣装を好んで着る方がいると聞いたのですが、お二人はどなたかご存知ですか？」

「深紅ですか...」九疊雲は眉をひそめ、一尺雪と目を合わせてから、少し残念そうに淳璟を見つめ、軽くため息をついた...