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37話

淳璟は身を乗り出して外を覗き込み、眉を片方上げて顔をしかめながらも、興味津々に言った。

「あれ?誰か出てきたぞ。あの暗紅色の長衫、なかなか良い趣味だな。どこで買ったのだろう」

「あれは華裳繍坊が今月出した新作よ!」女性は裳裾を持ち上げ、急いで窓際まで歩み寄ると、頭を突き出して外を見た。通りはがらんとしていて、人影一つ見当たらない。

彼女は振り返って淳璟を睨みつけ、勢いよく手を伸ばして彼を突き落とした。

淳璟は少し酒を飲んでいたところに女性に突然押されたため、よろめいて本当に落ちそうになった。この高さでは死ぬことはないだろうが、足を捻ったり、腕を折ったりする可能性はある。

その女性はまだ情けがあ...