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218話

知冷の声は氷のように冷たく、冷血で情け容赦がなかった。

詠児は警戒の目で彼を睨み、怒りに燃えながらも心中は恐怖に震えていた。彼女の刀を握る手が微かに震え、何が起こるのか分からない不安に駆られていた。知冷は詠児の視線を無視し、淳璟の前まで歩み寄ると、長剑を手に持ち淳璟の目の前に突きつけた。剣の刃には油がしたたる肥えた焼き鳥が刺さっていた。彼は淳璟の首に突きつけられた刀に目もくれず、優しく微笑んで言った。「完全無添加の自然食材だ。焼きたてだぞ、食べてみろ」

淳璟は彼を見て口元を引きつらせた。知冷の身分が高貴で、誰も眼中に入れない性格は知っていたが、こんな状況で……詠児の短刀があと...