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208話

「九叠云の速さについていけず、淳璟は最初こそ追いかけたものの、差が開くばかりなのを見て諦めた。だが、遠からず近からずと後ろから付いてくる迷楼からの二人の女性に、淳璟は不安を覚えた。

あの視線は、彼を守るために遣わされた者のものではない。淳璟はスピードを落とし、二人の女性が追いついてくるのを待った。しかし彼女たちもまた速度を落とし、淳璟との間に一定の安全距離を保っていた。

「おい!」淳璟は眉を上げ、彼女たちに手を振った。「こっちに来てくれ、聞きたいことがある」

二人の女性は耳がよく、目を合わせた後、手綱を引き締め、道端に停止した。

「怖がらなくていい、ただ聞きたいことがあるだけだ」淳璟は...