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156話

淳璟は静かに封鸣を見つめながら、胸の内で複雑な思いが渦巻いていた。

求めても得られないことは八苦の中で最も辛いものだ。今は自分の気持ちを隠して何事もないように振る舞うだけでなく、相手の頼みを受けて彼女の想い人を助けなければならない。はっ、なんということだ!背後から刃を突き立てずにいられるだけでも、上出来というものだ!

しばらくして、封鸣の感情は幾分か落ち着いたようで、顔を向けて淳璟を一瞥し、少し懇願するような調子で言った。「頼む」そう言うと再び黙って酒を飲み始めた。

淳璟は酒碗を手に取り、酒壺から一杯注ぎ、立ち上がって欄干に寄りかかった。太陽はまさに沈もうとしており、楼...