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153話

淳璟の立場は確かに微妙だが、解決不可能な状況というわけではない。

知冷にとって、淳璟は彼の弱点でありながら、同時に敵を打ち負かす切り札でもあった。

淳璟は腕を組んで静かに朱雀大通りを歩いていた。三丈ほど離れた路傍の屋台で、便服を着た二人の護衛が首を伸ばして彼を見張っていた。淳璟は鼻を撫でながら、玉飾りを売る屋台の前に立ち止まり、ちらりと後ろを振り返って軽く鼻を鳴らした。出かける時に知冷に人を付けないよう言ったのに、目立ちすぎて標的になると言ったのに!それなのに結局二人もお尾が付いてきた。便服を着ているとはいえ、腰帯についた灰色の狼頭の印は、誰だって何を意味するか分かるというのに!

「お客さ...