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14話

淳璟は首を傾げて自分の後ろに付いてきた片目の老人を見やり、眉を上げた。「お年寄り、何とお呼びすればよろしいでしょうか?」

「旦那様がそのようにおっしゃるとは、この老いぼれ、身に余る光栄でございます」片目の老人は言った。「わたくしはただこの庭の掃除をする者でございますよ」

淳璟は頷きながら、周囲の花や木々の配置を眺め、言った。「ここはまるで迷路のようですね。あなたはどうやってここで方向を見分けているのですか?」

老人は答えた。「旦那様は戦時に伝令を運ぶ伝書鳩をご存知でしょうか?どんな場所に手紙を届けるにしても、刀の山であろうと火の海であろうと、彼らは正確に方角を見つけ、決して道に迷うことは...