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139話

太陽が官道の果てから昇り、その眩しい光が紅豆の揺れるたてがみを照らす。朝の風が地下から汲み上げた夜の冷気を帯びて淳璟の頬を撫で、彼の温もりを含んで蕊蕊の舞い上がる髪を通り抜けていく。

「なんだか、この光景、どこかで見たことがあるような気がするわ」蕊蕊は淳璟の背中に身を寄せ、軽く頬ずりしながら甘い声で笑った。

「蕊蕊、くすぐったいよ!」背中のくすぐったさに淳璟は身震いし、姿勢を正して振り返り、彼女を見つめて降参の表情を浮かべた。

蕊蕊は淳璟の背中に指で文字を書きながら、唇を尖らせて言った。「前に塞南に行った時も、こんな感じだったわね。この時間なら、九疊雲はもう起きてるはずよ!きっとあなたを...