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134話

雨箩の赤い鱗が高く空中に舞い上がり、金色の光が通りの半分を照らし出していた。

淳璟はハッと目を見開き、手を上げて結界を描いた。もしこれが衛兵たちに見られたら、百の口があっても言い訳できないだろう!彼らが自分の相手になるはずもないが、面倒なことは一つでも減らしたいものだ。

振り返った時、彼は不意に遠くの屋根の後ろから覗き見ている頭を一つ見つけた。背筋が凍りつく思いだった。先ほどまで気づかなかったとは。知冷の手の者か、錦陌の部下か、あるいは他に自分の行動を監視している者がいるのか。

赤い鱗は銀青色の鱗と呼応し合い、雨箩を閉じ込めていた水晶球の小世界が「バン」という音を立てて砕け散った。雨箩が...