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117話

一行は雲良閣のビルの裏手にある温室から出て、直接最上階にある墨未遮の部屋へと向かった。これほど大勢で訪ねるのは極めて稀なことで、まるで問責に来たかのような雰囲気さえ漂っていた。

円卓の上には銅製の香炉が置かれ、中から香が立ち上っていた。墨未遮は窓際の揺り椅子に身を預け、目を閉じて静養していた。彼の下には氷簾が敷かれ、足には薄い毛布がかけられ、のんびりとくつろいでいた。

物音がしても、彼はまったく動こうとせず、まるで部屋に不意の客が闖入したことなど全く気にも留めていないようだった。

一尺雪は片手を背中に回し、冷ややかな目で墨未遮を睨みつけていた。墨未遮が黒幕である可能性を知った時、彼を殺し...