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104話

「知冷と錦陌の二人は互いしか目に入っていないようで、淳璟が風の中で長い間立っていたにもかかわらず、錦陌はようやく今回の主な目的を思い出した。彼は知冷を軽く押し、少し距離を開け、知冷に淳璟の存在を気づかせた。

淳璟は知冷の呆然とした、慌てた表情を見て取った。彼は口元を引き笑いながら、少し雰囲気を和らげようと前に二歩進んだ。

しかし知冷は淳璟に冷たい視線を一瞥し、少し乱れた呼吸を整え、無理に口角を上げながら、淳璟の目を避け、手を伸ばして錦陌の腰に回し、淡々と言った。「入りなさい」

門は小さく見えたが、中はとても精巧だった。三層の小さな楼閣が地面から立ち上がり、両側には耳房が建てられ、楼閣の前...