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102話

夜の色は妖しく、光は斑に彩り、今まで賑やかだった雲良閣が史上初めて、こんなにも静かになった。面紙を被った高貴な貴婦人のような静けさだった。

この静けさに感動して泣きたくなるほどだ。

淳璟は吊り橋の上にしばらく立ち、下の華やかな灯りを眺めながら、何とも言えない感動を覚えた。まるで幼い頃に姉と一緒に灯籠を見に行った時のように、街中の灯りが闇を宮殿のように輝かせていた。彼の目は下の光に焼かれ、目の縁が湿り、まつ毛が濡れていた。

涙が落ちる前に、淳璟は深く息を吸い込み、足先で軽く地面を蹴って、墨未遮の部屋の扉の前に降り立った。

「小九を見に来たんだろう?」

彼が手を扉の環に掛けた時、まだ入る前に...