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997話

「鐘麗、そんな手を使わなくていいよ。何か頼みたいことがあるなら、直接言ってくれればいい」と私は眉をひそめて言った。

鐘麗とはもうこんなに親しくなっているのに、まだこんな手を使ってくるなんて。それにしても、鐘麗のこの誘惑的な態度には、正直抵抗しがたいものがある!

「この程度のお金じゃあなたを動かせないってわかってたわ」鐘麗は微笑んで言った。「実は本当にあなたにお願いしたいことがあるの。手伝ってくれる?」

すぐには返事せず、考え込んだ。鐘麗をここまで困らせるような事となると、きっと簡単なことではないだろう。自分の実力では少し難しいかもしれない。鐘麗ですら解決できない問題を私にやらせるなんて、...