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992話

私はそっと手元のボトルを回してみせた。任浩は即座に悲鳴を上げた。「俺の命が大事か、あいつの命が大事かって話だ!全員出ていけ!今回マジで何かあったら、お前ら全員覚えてろよ!」

それを聞いた店員たちはもう居座る勇気もなく、リーダー格の男を先頭に全員が退散していった。

まあ、この任浩もわかっているようだな。私はそのままボトルを任浩の首元に押し当てながら、従姉と共にゆっくりと外へ向かった。

従姉は私と長年一緒にいるうちに鍛えられたもので、彼女も手近にあったボトルを何本か手に取り、身を守る準備をしていた。

個室を出た瞬間、私は強烈な緊張感を感じた。いつの間にか、バー内のほぼ全員が集まっており、他...