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972話

私はもう我慢できず、急いで従姉にいくつか電話をかけましたが、例外なくすべて繋がらず、従姉の携帯はすでに電源が切られていました。

従姉を探しに行こうという気持ちはあるものの、どの映画館かさえ分からないのでは、従姉を探すなど論外です。苦笑いしながら思いました。仮に一軒一軒回ったところで、従姉を見つけられるとは限りません。これだけ時間が経てば、どんなに長い映画でも終わっているはずです。心の中で焦りが募り、良くない想像が次々と湧き上がってきました。

深く息を吸い込みました。待つしかないようです。時折窓の外を眺めていると、ようやく一台のタクシーが止まり、従姉がそこから降りてきました。

従姉を見た瞬...