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830話

「はぁ……」と従姉がため息をついた。この瞬間、彼女はやっと私に対して心を開き、隠していたものを打ち明けた。なんでも今日、従姉は仕事を探しに出かけていたらしいが、一日中探しても適当な仕事が見つからなかったという。

そのことで従姉はずっと気を落としていたのだ。

私は眉をひそめた。実は従姉に紹介できる仕事があった。灿姉の店である。私の顔があれば、従姉をそこで働かせるのは難しくないはずだ。

だが、このことを従姉に話すと、彼女はまったく同意してくれなかった。自分の力で仕事を見つけたいというのだ。それに従姉は聞いたらしい、灿姉たちの生活があまり楽ではないことを。今自分が行けば、彼女たちの負担になるだ...