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827話

私が家に着くと、従姉がソファに座って何かを考え込んでいるようで、ぼんやりと虚空を見つめていた。

私は従姉の隣に座り、自然と腕を彼女の背中に回して、そのまま抱きしめた。

従姉が抵抗しないことに心が躍った。さらに驚いたことに、従姉はそのまま私の肩に頭を預けてきたのだ。

ふわりと香りが漂ってきて、私は深く息を吸い込んだ。まるで長年連れ添った夫婦のような安らぎを感じ、心が満たされていく。このままずっと一緒にいられたらどんなに良いだろう、と胸の内で願った。

しかし顔を向けてみると、従姉の表情はどこか虚ろだった。

「従姉、どうしたの?何か嫌なことでもあった?」眉をひそめて尋ねた。

その瞬間、従...