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761話

ようやくテントを立て終わった頃には、すでに日が西に沈み、あたりはもう何も見えなくなりそうだった。テントを張るのにも少なからず時間がかかったが、これだけの時間が経っても、劉松はまだ戻ってこない!

辺りはだんだんと暗くなり、森の中には月明かりと少し暖かい焚き火の光だけが残っていた。

さすがに従姉もやや焦り始め、急いで何度か電話をかけたが、まったく繋がらなかった。そんな緊張した瞬間、突然一匹の狼の遠吠えが静寂を破った。その声を聞いた途端、この場所に狼がいるという、来る前に聞いた言い伝えを思い出した。

劉松は狼に襲われて何かあったんじゃないか?

眉をひそめると、従姉も不安そうに言った。「小然、...