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760話

この景勝地の端まで来る人すら極めて少なく、まして柵の外の世界に行く人などほとんどいない。私と従姉はほんの少し躊躇しただけで、その先へと足を踏み入れた。

道中、婷婷と松哥も私たちとの会話の機会を逃さなかった。彼らの名前も知ることになった。あの狐女は郭婷、露出狂の方は劉松というらしい。

劉松は終始暗い表情を浮かべ、ほとんど言葉を発することもなく、ただ黙々と私たちと共に境界線を越え、人気のない方向へと進んでいった。

私たちはずっと歩き続け、気がつけばほとんど日が暮れるほどだった。途中で空腹になれば、その場で食事をとった。私と従姉は野外旅行の準備をしっかりしていたが、郭婷と劉松は事情が違った。彼...