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698話

表姐は頬を薄く染め、ゆっくりと私の方に近づくと、おずおずと尋ねた。「然くん、この傷、手で治療してもいい?」

表姐は明らかに恥ずかしがっていた。やはり口でするとなると、まるであの行為と変わらないも同然だ。表姐がそう尋ねてきたのを聞いて、私も一安心したが、心のどこかで少し残念にも思っていた。とはいえ、表姐との関係を長い目で見るなら、私は頷いて答えるしかなかった。「大丈夫だよ、表姐。優しくしてくれれば、我慢できるから」

表姐は申し訳なさそうに微笑むと、すぐに手を伸ばしてきた。

骨身に染みる痛みが走り、私はたまらず手を放してしまった。支えを失った傷口は、そのまま表姐の手の上に落ちた。

表姐は驚...