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568話

話を終えると、いとこは私を駅の入口まで連れて行き、いくつかの祝福の言葉を掛けた後、私を列車に乗せた。

いとこの最後の心配は嘘ではなかったが、実際には彼女が私をそこまで心配する必要はなかった。なぜなら私はもうすべてが見えるようになっていたからだ。

ただ、念のため、私は盲人を演じ続けることにした。この盲人という身分は確かに私に大きな助けとなっていた。私は満足げにほっと息をついた。

静かにしばらく待っていると、列車がゆっくりと動き出した。

私たちの故郷に帰る列車は鈍行しかなく、実際私も何度も帰ったことがあるわけではなかった。あの場所については完全に不案内だと言えるが、いとこがそう言うのなら、...