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522話

李刚のいつものやり方からして、このお酒にはまた何か幻覚剤でも入っているんだろう。飲んだら即倒れるに違いない。

どうやら俺は本当に李刚の大敵になってしまったようだ。今や李刚は従姉さえ第一の標的とは見ていないらしい。まず最初にやりたいことは俺を倒すことなんだ!

そのお酒が俺の前に置かれるのを見つめていた。

李刚がちらりと目をやった。その視線は灿姉に向けられていた。灿姉は一瞬表情を変えたが、すぐに平静を取り戻し、小さく頷いた。

灿姉はすぐに自分の前のグラスを持ち上げた。

「小然、私たち二人で内緒で付き合ってたこと、刚兄にも言ってなかったわよね。今日はちょうどいい機会だから、刚兄に一杯献杯し...