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508話

「これが今日私が稼いだお金よ、十分の一、あなたのものだよ!」

胡姉さんは一瞬きょとんとして、苦笑いしながら言った。「ありがとう、小然」

私は返事をしなかった。ちょうど退勤しようとしたその時、突然また一人の客が入ってきた。

その人は毛皮のコートを着ていた。この猛暑の中でこんな服を着るなんて、バカか成金かのどちらかだろう。私はほぼ確信していた。

入ってきたその人はとても美しく、スタイルも悪くなさそうだった。彼女は手に携帯電話を持ち、歩きながら画面を見ていた。

私は眉をひそめて尋ねた。「すみません、マッサージを受けにいらしたのですか?」

その人は私の言...