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399話

従姉は終始興奮に浸っていて、周囲のことにはあまり注意を払っていなかった。

私はこっそりと道順を頭に叩き込んでおいた。というのも、すでに何か変な感じがしていて、今回の話は胡散臭さが多くて良いことが少なそうだからだ。

ようやく私たちは入口に着いた。

見上げると、そこは四階建ての建物で、広さはそれほどでもなく、周辺の道路はひどく荒れていた。ますます疑問が湧いてきた。ここが本当に映像制作会社なのだろうか?

ベスト男は微笑んで、手で招くような仕草をして私たちを中へ案内した。

私はためらったが、従姉はすでに歩き出していた。これではどうしようもない、ついていくしかない。ベスト男は終始後ろからついてきて方向を...