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350話

「小然、今度にしよう。先に食事を作るから、食べ終わってからにしない?」従姉はそう言い終える頃には、まるで懇願するような口調になっていた。

これではもう続けられない。私は両手を離して従姉を見つめた。「大丈夫だよ、姉さんが嫌なら無理強いはしないから」

従姉は頬を赤らめて俯いた。頷くのが見えた。

私は落胆して台所を後にした。結局こんな終わり方か。何一つできなかった。

しかも最後に従姉に断られた様子を思い出すと、胸が痛んだ。こんなことがあった後では、従姉とこういうことをする機会はもうあまりないだろう。

心が沈み、それでも最後にもう一度従姉を見ようと振り返ると、私の表情は一気に奇妙なものに変わ...