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321話

反応する間もなく、張さんが積極的に唇を重ねてきた。

これが私にとって初めての女性との口づけだった。柔らかく甘い感触に、様々な感覚が一瞬で脳裏に爆発し、頭の中が真っ白になった。

「触ってよ。あなたって本当に何も分からないのね」張さんは私の手を取ると、自分の豊かな胸元へと導いた。

私の息が一瞬止まった。マッサージ師として仕事をしてきた期間も短くはなく、触れてきた回数も少なくはない。

だが今回は、あの行為をするために触れているのだと思うと、途端に感触が違って感じられた。

豚肉は食べたことがなくても、豚が走るのは見たことがある、というやつだ。

しばらく触れているうちに慣れてきたので、私は攻勢に出た。

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