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293話

「うん、ゆっくり」

「ちょっと痛いっ、はぁ、気持ちいい!」

「もっと早く、もっと激しく、私を抱いて、旦那さま」

夜中、私が熟睡していた時、突然隣の部屋から艶めかしい声が聞こえてきた。

あの蕩けるような喘ぎ声に誘われるように、私はゆっくりと壁に耳を寄せた。

向こう側の声がより鮮明に聞こえてきた。悶えるような嬌声とベッドのきしむ音が交互に響いている。

頭の中で「ぐわん」と大きな音がした。

姉の旦那が程怡と愛し合っているのは間違いない。あの甘美な喘ぎ声が波のように押し寄せ、私の身体は思わず反応してしまった。

脳裏には一瞬にして程怡の妖艶で官能的な姿が浮かんだ。

今この瞬間、彼女が姉の旦...