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267話

「はぁ、参ったな。この女、面倒くさすぎる」

私は内心で呆れながらも、何姉さんを怒らせるわけにはいかない。彼女には逆らえないから、ただただマッサージするしかない。

唯一の救いは、虹姉さんが探している人物がこの女性で間違いないと確信できたことだ。帰ったら報告できる。

「言ってみろ」と私は言った。

楠楠はようやく冷ややかに鼻を鳴らした。

「まず、私の許可なく勝手に触るな。どこを押すつもりか、前もって言いなさい」

苦笑いしながら答える。「これはツボ押しマッサージだから、一カ所だけ押して他を無視するなんてできないんだ。そんなことしても効果がないし、君のためにもならない」

「知らないわ。嫌なら今すぐ...