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977話

薬を塗るだけなのに、彼の手が離れるのを少しも惜しく思ってしまうなんて!

心が揺れ動き、趙欣はそんな気持ちになった途端、顔中に赤い雲が乱れ飛び、目がうつろになり、それを見た向かいの劉純はもはや平静でいられなくなった。

「あらあら!」劉純は目をくるりと回し、「うっかり」箸を床に落としたふりをした。

彼女が軽やかに投げかけた「箸が落ちちゃった!」という言葉と共に、

すでに素早くテーブルクロスをめくってテーブルの下に潜り込んでいた。

またどんないたずらを仕掛けるつもりだろうか?

張毅は劉純が潜り込むのを見て、反射的に下半身に緊張を感じたかと思うと、劉純の白く柔らかな両手がすでに自分の太ももに触れ、...