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927話

張毅は自分の好奇心を抑えたくなかった。果断にドアを静かに押し開け、忍び足で中に入った。

入口には大きな収納棚があり、その一つは唐子軒がバスローブを取り出すために開けたままになっていた。もう一つのバスローブが寂しげにそこに掛かっていた。

浴室内は湯気で朦朧としており、シャワールームは透明で少しだけカーテンが付いていた。幸い唐子軒はカーテンに寄りかかって下を向き、ズボンを脱いでいる最中で、手は何かをいじっているようだった。

張毅は身のこなしが上手く、もう一つの空いている収納棚のドアを静かに開け、素早く中に隠れた。

ドアの隙間から外の様子を窺うことができた。

「まずはスマホをサイレントに!」...