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844話

杨ママに顔立ちがいいと声をかけられて、美容院で働いてみないかと誘われなかったら、彼女はきっと今でもレストランで皿を運んでいたことだろう。

この「業界」に導き入れ、男の世界をしなやかに泳ぎ切る術を教えてくれた杨ママに、柔柔は何より感謝していた。だからこそ、杨ママに嘘はつけなかった。真剣な表情で言った。「杨ママ、私、本当に彼のこと好きになっちゃったの」

杨ママは柔柔を長く知っている。柔柔に「嫁にしたい」と言い寄り、この仕事を辞めさせようとする男たちを見てきたが、柔柔はいつも断ってきた。それなのに今回は、一文無しの男を好きになったと言うのか?

「あなた、彼のことが好きなの?それとも彼の"アレ"が好き...