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631話

どうやら擬似おもちゃは彼女に喜びをもたらしたようだ。本物の男性ほどの刺激はないものの、かなりの程度で自分の欲求を満たせたらしく、口元には満足げな微笑みが浮かんでいた。

「おばさん、顔すごく赤いけど、どうしたの?」張毅が隣に座りながら何気なく尋ねた。

「そう?」彼女は思わず手を頬に当て、確かに熱くなっているのを感じた。「たぶん…」

嘘をつこうとしたが、良い言い訳が思いつかない。そのとき、張毅に肩を抱かれ、彼女の耳元でいたずらっぽく、でも好奇心も混じった声で囁かれた。「たぶん、なに?」

耳に吹きかけられる熱い息に、彼女の体中がゾクゾクとした。どうせ張毅とはあんな関係になってしまったのだから...