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457話

見上げると、あの見慣れた可愛らしい顔があった。薄化粧をしているが、それがより一層艶やかさを引き立てている。

波打つような巻き髪が肩に無造作に垂れ、レンズの入っていない黒縁メガネの下には真っ赤な口紅を塗った小さな唇がある。

その姿はまさにプロの教師そのものだが、張雨児の身に纏うとどこか堅苦しさや厳格さはなく、ただ官能的で人を誘う魅力だけが溢れていた。

目の前の男が熱い視線で自分を見つめ、あからさまに全身を舐めるように見ていることに、張雨児は内心得意げだった。

そこで鼻にかけた黒縁メガネを軽く押し上げ、わざと真面目な口調で言った。「生徒さん、先生の質問に答えてください」

そう言うと、ドアノブに手を...