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420話

その瞬間の触れ合いが、彼女の中で長い間抑え込んでいた欲望を野火のごとく燃え上がらせた。一気に全身を駆け巡る熱は、彼女の胸を掻き毟るような苦しさをもたらした。

原始的な衝動に駆られ、彼女は少しだけ頭を下げ、小さな鼻先がかすかに動いた。

たちまち、濃厚な男性ホルモンの匂いが彼女を包み込み、身体から力が抜けるような感覚に襲われた。白く柔らかな手が思わず彼の体を優しく撫で始めた。

「水...水が欲しい。喉が渇いて死にそう...水を...」

突然、酔いつぶれていた趙暁霞が朦朧とした意識の中で叫び、陳白霜は驚いて慌てて手を離し、振り向いた。

ソファに斜めに横たわる趙暁霞は、目をしっかりと閉じ、頬は真っ...