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380話

「もちろん味よ。この店、お値段はそんなに高くないのに、味はすごく美味しいの。ねえ、暁霞...あれ?暁霞、何見てるの?話してるんだけど」

趙暁霞は少し離れた場所で繰り広げられている光景に、半ば信じられないという表情を浮かべていた。彼女の可愛らしい顔から笑みが徐々に消え、冷たさだけが残っていく。

その光景をできるだけ悪い方向に考えたくなかったが、楽しそうに会話を交わす二人を見ていると、嫉妬と怒りが混ざった感情がみるみる上昇し、瞬く間に全身を焼き尽くした。

「ちょっと、暁霞、どこ行くの?何するつもり?待ってよ」

同僚の呼びかけも無視し、趙暁霞は怒り心頭で角の席でにこやかに話している男女のテー...