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216話

「実は、君は笑うとすごく可愛いよ。気づいてなかったの?」

うつむいて黙々と歩いていた楚妍妍はハッと足を止め、ゆっくりと横を向いた。ちょうど張毅の視線と交わる。

目と目が合い、気づかぬうちに空気が甘美なものへと変わっていく。

一秒後、楚妍妍は視線を逸らし、頬を薄紅く染めて「ほ、本当?」

「もちろん本当だよ。誰も言ってくれなかったの?」

その言葉を聞いて、楚妍妍は恥ずかしそうに微笑んだ。頬に可愛らしいえくぼが浮かぶ。

完璧なまでのクールビューティーな顔立ちに、その笑顔が加わると、まさに振り向けば百人の心を魅了するほどの美しさだった。

張毅は思わず見とれてしまう。

その熱い視線に気づい...