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56話

「この不届き者が!」斉厲書の報告を聞き、皇帝は本当に怒り心頭だった。京城に召還したばかりだというのに、早くも争いを始めるとは。兄弟の情さえ顧みないとは。幼い頃から仲が良くなかったとはいえ、血を分けた兄弟ではないか。

斉厲書は慌てて頭を下げた。顧源と他の重臣たちもその場にいて、皆一様に慌てて頭を垂れ「陛下、どうかお怒りを鎮めてください!」と声を揃えた。

皇帝は怒りが収まらなかった。まるで謀反を起こしたようなものだ。彼らに情がないならば、皇帝も情けをかける必要はない。

皇帝は心を落ち着かせ、太監総管に手を借りて座ると、厳しい声で命じた。「大皇子・白征の皇子の称号を剥奪し、庶民に貶める。召すこ...