財を集める男后

132話

「処刑された者は顧青珏ではなかった」と気づいた于宁は思わず安堵の息をつき、しかし次の瞬間に疑問が湧いた。顧青珏でないなら、彼はどこにいるのだろうか。

人混みの中で流痕が首を横に振るのを見て、于宁はその意味を理解し、引き返そうとした矢先、処刑人の刀が振り下ろされ、血が地面に飛び散った。生まれて初めて見る光景に、于宁は顔色を失い、嘔吐しそうになったところを牛好に急いで引き戻された。

何然が何かを飲ませてくれたおかげで、しばらくすると于宁の状態は良くなった。

「こんな場面も見られないなんて、前回の戦場ではどうやって乗り切ったんだ？」何然は皮肉めいた口調で言った。

于宁は俯いたまま黙っていた。...