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127話

「郦城を過ぎると、大峡谷がある。この峡谷は不思議なもので、周りには植物が生い茂っているのに、高い部分だけが何もない禿げた状態になっている。

峡谷はそれほど広くなく、四、五人が並んで通れる程度で、一年中風が唸り声を上げている。

顧青珏は眉を寄せた。「この道以外に、何か別の道はないのか?」

「残りは官道だが、あれも広くはありません」葉痕は白玉の笛を手に顧青珏の傍らに立っていた。

この時、顧青珏は数名の近衛を連れてこの高所から状況を確認していた。ただこの吹き荒れる風だけでも十分危険だと感じていた。もし君城か他の者が伏兵を置いていたら、恐らく半数以上が死傷することになるだろう。

しばらくここで考え込ん...