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10話

顧青珏は唇を弓なりに上げ、極めて機嫌の良さそうな様子を見せた。

一方、白決は堂々たる王朝の六皇子であったが、わずか六歳の年に祈南山へ師について武芸を学ぶため送られた。これには彼の体が弱かったという理由もあれば、母妃が彼を宮中に留め置いて毒殺されることを恐れたという理由もあった。

今や十八歳となり、朝廷へ戻る時期を迎えていたが、まだ旅立ちの準備もせぬうちに、任務を終えて門派へ戻る道中で何者かに襲撃され足止めを食らった。まさに陰険で残忍な輩の仕業であった。

「大師兄、どうされたのですか?」山門で見張りをしていた弟子は、彼が馬を駆けて戻ってくるのを見て、一瞬呆然としたあと、すぐに喜びの表情を浮...