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957話

「大哥、気をつけて!」と談軍が悲鳴を上げた瞬間だった。

李大柱は背後の異変を察知し、すぐさま前方へ飛び出した。

背後から繰り出された一刀は虚しく空を切った。

なんと、先ほど門歯を叩き落とされた男が背後から奇襲を仕掛けたのだが、談軍の警告で失敗したのだ。

相手が避けたのを見ると、男は歯を食いしばり、再び襲いかかってきた。

李大柱は大きく喝し、その場で跳ね上がると、右足を旋風のように振り回した。

「バシッ」という音とともに、男の左頬が蹴りを受け、激痛が走り、体はくたりと地面に崩れ落ちた。

あの太った男は李大柱の強さを目の当たりにし、立ち尽くしたまま声も出せず、顔から大粒の汗を流していた。心の中では...