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865話

「それはよかった。離婚して、店をきちんと経営して、新しい生活を始めるんだな」

「やっぱり『ありがとう』って言わなきゃ。あなたがいなかったら、私はまだ村でぼんやり過ごしていたわ」

「礼なんていらないよ、これも何かの縁だ」李大柱はそう言いながら、すでに池のほとりまで歩いていた。

「部屋の片付けをしないと。村長さん、今夜は町に泊まるみたいだから」

「わかった、じゃあ先に忙しいだろうから、また連絡するよ」

「うん、わかった」

李大柱は電話を切ると、二香の妊娠のことを思い出した。もし二香が自分に「遺腹子」だと言い、あの日生理だったことを否定するなら、自分はそれに乗って、彼女の嘘に付き合おう。あるいはそ...