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811話

「焦らなくていい。目を閉じればいいだけだよ」と浄明師太が言うのが聞こえた。

李大柱はその老いた顔を見る分には欲情することはなかったが、目を閉じると、玉のように滑らかな手が自分の最も敏感な神経に触れるのを感じた。そして、心地よい感覚が押し寄せてくる。まずい、この老尼僧の手管を甘く見ていた。

「気持ちいい?」浄明師太の声も変わっていた。聞けば何か惑わすような力が籠もっており、その手は軽く揉みしだき、上下に動き回る。まるで器用な蔓が絡みつくかのようで、温かな感覚がまるで洞窟に入り込むようだった。

この手技は、如花と比べても引けを取らない。心地よい水のような感覚が下半身から全身へと絶え間なく広がり...