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706話

「どういう意味だ?」李大柱は首をかしげた。

「私と上の階の『如』の字の三人の師太たちは以前、慈雲寺にいたわけではなく、別のお寺にいたの。でもそのお寺が半年前に火事になって全焼してしまい、みんな身を寄せる場所がなくなったから、私たちは慈雲寺に一時的に住まわせてもらうことになったの。私たちのお寺が再建されたら、また戻るつもり。今は此処で『掛単』している身、分かる?」

「なるほど。仏様は『衆生平等』とおっしゃっているのに、慈雲寺で掛単していても、上下の区別があるべきではないでしょう」

「そうは言っても、やはり主客の区別はあるもの。私たちはただこの期間を穏やかに過ごして、元のお寺に戻るつもりなの。あな...