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652話

李大柱は腰を低くかがめ、足音を忍ばせながら二人に近づいていった。案の定、一本の木を隠れ蓑にして二人の男が茂みに身を潜めていた。

かすかな声が李大柱の耳に届いた。

一人の男が言う。「兄貴、あんたには参るよ。こんな遠くまで来て人の入浴を覗くなんて」

もう一人の男が言った。「これでお前の負けだな?百元よこせ!」

「帰ったら渡すよ。ところで、香蘭がここで体を洗うってどうして知ってたんだ?」

「へへ、それは秘密さ、教えられないね。お前に知られたら、お前も来るだろ?この百元のためじゃなきゃ、連れてきてやらなかったぞ!」

李大柱は言葉を聞いて下方の水たまりを見やると、確かに一人の女が半身を水から...