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608話

「義兄さんは溜息をついて言った。「正直言えば、私だって梅子が障害者と一生を共にするなんて望んでなかったさ。

あの時、梅子が私の命を救うために自分を売ったと知った時、君と同じように感じたよ。死んだ方がましだって。病院にいる間も、家にいる間も、本当に辛かった。全て私のせいで、梅子を傷つけてしまったんだからな。

でもね、もう既成事実になってしまった。私にどうすることもできないんだ。お金はもう使われてしまって返せないし、梅子は大柱と結婚式も挙げた。これも天命だと思うしかなかったよ。結婚式の日、両親が出席して帰ってきた時、ただ一言『梅子は元気にしてる。あの家の人たちは彼女に優しいから心配するな』と言われ...