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587話

目が見えないふりをすることに関しては、今や私はすっかり手馴れたものだ。

どうせ、目を使う必要がない時は、いつも閉じているのだから。

だが陳主任に対しては、目の端で彼女を窺っていた。

あまりにも女性らしさに溢れていて、思わず心臓の鼓動が速くなる。

「大柱、昨日徹夜したから、少し疲れているの。マッサージしてくれない?」陳主任は柔らかな声で言った。

彼女がそう言うのを聞いて、確かに顔色が少し悪いことに気づいた。

なんてこった、こんな良い話があるなんて!

女性のセラピストを呼ばずに私を選ぶなんて、へへ、やっぱり異性にマッサージしてもらう方が気持ちいいってことだな!

「はい、陳主任!」

陳主任は立ち上が...