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424話

「あぁ、そういえば私もトイレに行きたくなったわ」

「じゃあ、針を抜くね」

私もさっさと終わらせたかった。さっき梅子には、あと30分くらいと言っておいたから、彼女はきっと時間を計算してヴィラに戻って待っているはずだ。先に下りて行って、彼女がどんな言い訳をするか見てみたい。

そこで、私は銀針を全部抜き取った。

「馬さん、じゃあ先に失礼します」

「ええ、先に行きなさい!」

馬さんは起き上がって、「あなたみたいな若者は本当に優秀ね、たった二日でもう一人で階段を降りられるなんて」と言った。

「はは、村にいた頃は、一人で町まで行けたんですよ。この程度の距離なんて大したことないです」

「そう、気をつけてね。...