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408話

この角度からは玄関は見えないが、リビングのほとんどは見渡せる。

そして、リビングの明かりがついた。

誰かが話す声が聞こえたが、何を言っているのかは聞き取れなかった。

それから、二人の姿が目に入った。

一人は趙秋水だ。

もう一人は男で、横顔しか見えないが見覚えはない。二十代前半くらいで、カジュアルな服装をしている。

だが彼は片手で趙秋水を支えていた。

「ここがお前の住んでるところか?」男の声が響いた。

「うん、家まで送ってくれてありがとう」

秋水の言葉が少しもつれているのを聞いて、酔っているんだろうと思った。彼女の顔を見ると案の定、頬が赤くなっている。相当飲んだらしい。明らかにあの男が彼...